2015年5月10日日曜日

リサーチの旅を終えて

カンボジアのコンテンポラリーダンスの創始者であるSophiline Cheam Shapiroが運営する「Khmer Arts Theater」を訪ねた。中心部からトゥクトゥクで約30分ほどの郊外に、アンコールワットのような野外劇場が突如現れる。カンパニーの新作公演の稽古の真っ最中、生演奏をつけての稽古で、劇場に備えたスタジオなどもあり、広大な敷地の中に豊かな創造環境が存在する。
また、アムリタの芸術監督のチェイ・チャンケトヤが教鞭をとるSecondary School of Fine Artsで、きたまりが伝統舞踊クラスの授業に参加する機会も得た。




  
チャンケトヤは、カンボジアのダンス界にとって「コンテンポラリー」とは、過去を現在に提示し、自己と他者の違いを認識するための様々な方法を探す旅路だと言う。
ポルポト政権下で壊滅的な被害を受けた伝統舞踊の再生を基盤に、今まさにこれからコンテンポラリーダンスの環境を作ろうとしているカンボジアから、わたしたち日本人もまた多くの刺激を受けるだろうと確信した旅となった。

2015年5月5日火曜日

プノンペン|フィードバック

コンテンポラリー・ダンス・プラットフォームの公演後に行われるフィードバックのワークショップが、 「Him Sophy School of Music」という音楽スタジオにて5月3日・4日の二日間にわたり行われた。ゲストは、ピチェ・クランチェンとソフリン・シャピロの二人。3組の振付家とダンサーたちが集まり、それぞれが作品のコンセプトをプレゼンし、ピチェやソフリンからのアドバイスをもとに試行したり、意見交換をしたり、振付家としての思考を深めることに重きを置かれたものである。
カンボジアでは、舞台技術が未発達なため、主催者としては作品をデベロップさせる技術的なアドバイスを期待していたようだ。しかしながら、ピチェが語った言葉の多くは、ダンスの世界に振付家として生きるということがどういうことか、そのために何を考えるべきか、というものであった。
本質的な問いに向き合い、自身の表現の核心を見つけ出していくことを後押しするこの試みは、本プロジェクトが生まれたダンス・コミュニティ・フォーラム「We dance」で行っていたワークショップ「試行と交換」に近い。かつてのSTスポットにおける「ラボ20」をも思い起こさせる貴重な体験となった。


2015年5月3日日曜日

プノンペン視察

5月2日、クアラルンプールからラングが帰国。きたまりと岡崎で、プノンペンに到着。当初予定がなかったのだが、シアターワークスのTay Tongから、ぜひ視察すべきと勧められたのが、プノンペンを拠点にコンテンポラリーダンスや演劇作品の創造と振興を手がけるNGO「アムリタ・パフォーミング・アーツ(Amrita Performing Arts)」 。「アムリタ」とはサンスクリットの「永遠」の言葉で、「どのような破壊にも屈せず継続するもの」という意味が込められており、クメール・ルージュ体制下で深刻な打撃を蒙ったカンボジアの文化を再興すべく2003年に設立。伝統を尊重しながらも、現代の視点で創作に取り組んでいる。今回はアムリタの若手振付家育成プログラムのショーケース「A  Contemporary Dance Platform(コンテンポラリー・ダンス・プラットフォーム)」があるとのことで、空港から直接劇場に向かう。

大都市シンガポールやクアラルンプールとは全く異なり、プノンペン町中は舗装されていない道路に大量のトゥクトゥクやバイクが行き交う。劇場は「Department of Performing Arts」という公共ホール。夕闇が迫る頃には、どこからともなく若い観客が集まってくる。本公演には、Yon Davy、Khon Chan Sithyka、Chumvan Sodhachivyの3組が新作を発表した。

このプログラムが若手支援をうたっているのは、これが公演のみならず、そのあとに著名なダンスアーティストがフィードバックのワークショップを開催するからである。今回のゲストは、タイの振付家ピチェ・クランチェン。舞台を一緒に見て、パーティーにも合流。そこで、アムリタの創設者であるフレッド・フランバーグさん(シンガポール在住)、2014年にアムリタ初の芸術監督に就任したChey Chankethyaさん、カンボジアのコンテンポラリーダンスの創始者であるSophiline Cheam Shapiroさんに出会う。思いがけず、コアなカンボジアダンスネットワークに飛び込んだ形になった。

2015年5月2日土曜日

マレーシア視察

シンガポールでの現地オーディションを終えて、多田さんはソウルへ、藤井さんは帰国。きたまりとラング、岡崎とでマレーシアのダンス状況の視察のため、クアラルンプールに向かう。

滞在はわずか3日。国際交流基金クアラルンプールの谷地田未緒さんに、コンテンポラリーダンスを推進する2つの民間劇場を紹介していただいた。
ひとつは、振付家・ダンサーでもあるWong Jyh Shyong (JS)が芸術監督を務めるDamansara Performing Arts Centre(DPAC)。もうひとつは、 Kuala Lumpur Performing Arts Centre(Klpac) 。マレーシアのダンス事情や取り巻く環境など貴重な話を伺うことができた。

初日はDPACにて演劇公演を鑑賞。2日目は、新拠点10周年を迎えたKlpacで若手ダンスショーケース「CHOREOGRPHERS」を鑑賞。建物は、国有鉄道の操車場をリニューアルしたユニークなもので、504席 (固定)と190席(可動)の劇場、100席のフリースペース、9つのスタジオ、ガラス張りの作業場などを備えている。1989年に劇団としてスタートしたアクターズ・スタジオが運営している。この劇場については、以下のサイトで詳細なインタビューが紹介されている。
http://performingarts.jp/J/pre_interview/1501/1.html

公演に参加していたのは、DPACの芸術監督のJSを始め、9組。驚いたことに、シンガポールオーディションに参加し、選考された2名のダンサーがそのうちの作品で踊っていた。マレーシアとシンガポールはダンサーレベルの交流があると言う。ダンスの傾向も共通しているように感じられたのも納得である。

3日には、 DPACの芸術監督のJSとの打ち合わせと会場を見せてもらった。ダンサーであるオーナーによってつくられたこの劇場には、200席(固定)と120席(可動)の劇場、2つのスタジオを備えている。自前のレジデンスカンパニー「DPAC Dance Company (DDC)」を持ち、ダンスレッスンを始め、ダンス企画、毎年国際ダンスフェス「D'MOTION」を開催するまさにダンス拠点である。

クアラルンプールではいくつも可能性を感じつつ、次のプノンペンへと向かう。







2015年5月1日金曜日

TheatreWorksのオーディションレポートがアップされました!

シアターワークスのブログにて、2015年4月27日〜29日に72-13で行われたオーディションのレポートがアップされました!


RE/PLAY Dance Edit Auditions at 72-13
April 30, 2015 · by TheatreWorksSg · in 72-13, TheatreWorks

This week, we held auditions for RE/PLAY Dance Edit, to be presented in February 2016, in collaboration with Offsite Dance Project. Directed by renowned Japanese theatre maker, Junnosuke Tada, RE/PLAY Dance Edit explores the intent and meaning of re-production through bodily repetition of physical movement. Through this audition, Junnosuke hopes to work with eight Singaporean and Japanese leading contemporary dance makers.

From 27 to 29 April, Junnosuke and his collaborator Kitamari met 25 auditionees at 72-13.
https://theatreworkssg.wordpress.com/2015/04/30/replay-dance-edit-auditions/