2017年10月18日水曜日

「座・高円寺」にてカンボジアダンサーが出演

プンンペン公演出演のチェイチャン・ケトヤ、ソイ・チャンボレイが、10月20日-29日に東京杉並区の公立劇場「座・高円寺」で開催される『ひとつの机とふたつの椅子と越境者たち』に参加します。

本企画は、香港のダニー・ユンが創案したパフォーマンスのフォーマット「one table two chairs」をベースに、座・高円寺では本館の芸術監督・佐藤信の「アジアの舞台芸術人にとっての「自由な創造の場」について考えよう」という意向のもと、昨年から3年間にわたり開催しているプロジェクトです。

今回ケトヤは、ソイ・チャンボレイとのデュオ作品を上演するほか、ワークショップも開催とのこと。

プログラム詳細はこちら↓
http://za-koenji.jp/detail/index.php?id=1794

2017年10月5日木曜日

【RE/PLAY Dance Edit 京都公演】関連企画/批評プログラム

批評プログラム
「<批評>をRE/PLAYする」

『RE/PLAY Dance Edit』に関連する、批評のためのプログラムです。
従来の〈批評〉のあり方を問い直すところから、これからの批評(に類するもの)は生まれるのではないでしょうか。
本プログラムでは、『RE/PLAY Dance Edit』上演後に、批評執筆を前提としたディスカッションを行います。
今観たばかりの作品を振り返り、それぞれの書こうとする批評について話し合うことで、実際に書くための思考の準備体操を試みます。
ナビゲーター:藤原ちから(批評家・編集者)
※本プログラムは日本語で実施します。

日時:2017年11月26日(日) 17:00~19:00
会場:京都芸術センター 和室「明倫」

《ディスカッションおよび批評執筆 申込方法
参加条件:ダンスなど舞台芸術の批評の重要性を理解し、今後、継続的に批評を執筆していく意欲のある方。参加前に25日もしくは26日の『RE/PLAY Dance Edit』の上演を観賞すること。
プログラム終了後2週間以内に『RE/PLAY Dance Edit』の批評(1200字~4000字程度)を執筆すること。
※執筆された批評は、京都芸術センターが発行する媒体に掲載される可能性があります。
※規定の執筆料をお支払いします。

参加費:無料
募集人数:若干名

応募方法:E-mailにて受付。
題名をRE/PLAY批評執筆応募とし、本文に、氏名、住所、E-mail、TELを明記すること。
また、下記を添付のうえ提出すること。
①履歴書(様式自由、これまでの活動や興味関心のある領域がわかるもの)
②これまでに執筆した批評などの原稿 2点から5点
※既発表・未発表、掲載メディア等は不問。
※PDF/wordデータにて添付すること。
※②のうち1点にかわり、志望理由書(600字程度)の提出も可
締切:10月31日(火)20:00必着
選考結果は11月中旬に、メールにて応募者全員に通知します。

《ディスカッション観覧希望》
観覧のみの希望:
入場無料・事前予約不要(定員20名、先着順)

ディスカッションおよび批評執筆申込:
E-mail : tani@kac.or.jp

主催:京都芸術センター、NPO 法人Offsite Dance Project、RE/PLAY Dance
助成:国際交流基金アジアセンター、公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団
平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

【RE/PLAY Dance Edit 京都公演】関連企画/ウェルカムパーティー&ディスカッション!

ウェルカムパーティー&ディスカッション
「あなたのまちの踊りを教えて!」


プノンペンの、シンガポールの、東京の、リアルなダンス情報、教えてください!
今、シンガポールやカンボジアではどんなダンスが上演されているのでしょう。また、伝統的な踊りの文化は、どのように息づいているのでしょう。

シンガポールとカンボジアのダンサーを迎えての共同制作となる『RE/PLAY Dance Edit』。ダンサーの来京にあわせて、ウェルカムパーティーを開催します。
パーティーでは、出演ダンサーが拠点とする街のダンス事情を、プレゼンテーション形式でご紹介します。
カンボジアからやってくるナリム・ナムとチャンボレイ・ソイは、伝統的な舞踊とコンテンポラリーダンス、両面で活動。シェリデン・ニューマンは、オーストラリア出身で、現在はシンガポール在住にて国際的に活躍中です。これに東京から参加のAokidを加え、各出演ダンサーが拠点とする街のダンス事情を、ご紹介します。ついでに各地のグルメもちょっと味見できるかも!?各地のリアルなダンスシーン、ちょっと覗いてみませんか?
公演の前の予習に、情報交換に、おしゃべりに……どうぞお気軽にお越しください!
(日英通訳付)

日時:2017年11月19日(日) 18:00~20:00
会場:京都芸術センター フリースペース
料金:¥500(ドリンク・フード付)
ゲストスピーカー:Sheriden Newman(シンガポール)、Chanborey Soy、Narim Nam(プノンペン)、Aokid(東京)
主催:京都芸術センター、NPO 法人Offsite Dance Project、RE/PLAY Dance Edit 実行委員会
助成:国際交流基金アジアセンター、公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団
平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業 
詳細・申込・問い合わせ:京都芸術センター
http://www.kac.or.jp/events/22075/

2017年9月18日月曜日

京都公演フライヤー:多田淳之介メッセージのご紹介

11/25-16の京都芸術センターにおける公演チラシができました。この中に掲載されている演出家・多田淳之介さんのメッセージをご紹介します。
 
2012年に京都のダンサーたちと創った『RE/PLAY Dance Edit』の初演は、自分自身初めてのダンサーとのクリエーションで、身体があり、形があり、動きがあり、ダンスがあり、時間があり、観客がいる、ただそれだけのことで「まさかこんなことになるのか」と興奮し続けた毎日でした。それ以来、横浜では関東のダンサーと、そしてシンガポール、カンボジアでは現地のダンサーに日本のダンサーも加え、この作品は未知なる「まさか、こんなこと」を求めて旅を続けています。「ダンス/演劇」というボーダーから生まれたこの作品は、さらに国、地域、身体、ダンス、バックグラウンド、多様なボーダーを抱えることで変容を続けてきました。執拗に繰り返す/繰り返せない時間の中で、ダンサーたちはそれぞれの振り付けを同時に踊ります。それはソロであり、群舞であり、私たちは違うということであり、私たちが共にいることでもあります。シンガポール、カンボジアからのダンサーも共に、さらに未知なる「まさか、こんなこと」を求め、再び、京都へ。
多田淳之介




2017年9月10日日曜日

2017年9月5日火曜日

京都公演|チケット予約開始

京都公演のチケット予約を開始しました。詳細は、京都芸術センターのイベントページをご覧ください。
http://www.kac.or.jp/events/22001/

KAC Performing Arts Program 2017/ Contemporary Dance
国際共同制作『RE/PLAY Dance Edit』


演出:多田淳之介
振付・出演:きたまり、今村達紀、Sheriden Newman、Nam Narim、Soy Chanborey、Aokid、斉藤綾子、吉田燦

日時:2017年11月25日(土)19:00開演/26日(日)15:00開演
会場:京都芸術センター 講堂
料金:一般前売¥2,000 / 当日 ¥2,500
   U25割引 ¥1,000(前売のみ) *全席自由
チケット申込:京都芸術センター
   チケット窓口 電話:075-213-1000(10:00 - 10:00)
   WEBより受付
問合せ先:京都芸術センター
   TEL:075-213-1000 E-mail:info@kac.or.jp

主催:京都芸術センター、NPO 法人Offsite Dance Project、RE/PLAY Dance Edit 実行委員会
平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
助成:国際交流基金アジアセンター、公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団

2017年6月2日金曜日

マニラ公演|オーディション情報

2018年1月公演のフィリピン公演に向けて、2017年6月9日・10日マニラにて現地オーディションを行います。

フィリピン公演は、マニラを拠点にクロスジャンルの国際的なプラットフォーム「カルナバル・フェスティバル」を主催するシパット・ラウィン・アンサンブルをパートナーに実施。本活動には、国際的な注目を集める振付家・ダンサーのアイサ・ホクソンが参加し、多田淳之介・きたまりとともに主たる役割を担います。
公演は、シパット・ラウィン・アンサンブルとアイサ・ホクソンが新たに立ち上げるクリエーションを軸とした国際交流プロジェクト「MNLLikha」の一環として実施されます。

【オーディション概要】
日程:2017年6月9日(金)〜9日(土)
   第1次:6月9日(金)4:30-7:00pm/7:30-10:00pm *いずれかの回に参加 
   第2次:6月10日(土)2:00-5:00pm
会場:Steps Dance Studio(8465 Kalayaan Avenue, Brgy. Poblacion, Makati City)
参加費:無料
選考:多田淳之介(演出家)、きたまり(振付家・ダンサー)、アイサ・ホクソン(振付家・ダンサー)
募集の詳細↓
https://www.facebook.com/sipatlawinensemble/posts/1189071807870452:0

【公演概要】
日程:2018年1月13日(土)・14日(日)
会場:Power Mac Center Spotlight (住所:Circuit Lane, Circuit Makati, Makati, 1207 Metro Manila, フィリピン)

共同製作:シパット・ラウィン・アンサンブル、NPO法人Offsite Dance Project、RE/PLAY Dance Edit実行委員会
助成:国際交流基金アジアセンター、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

2017年4月30日日曜日

2016年度版のリーフレット発行

2012年京都、2014年横浜、2016年シンガポール、そして2017年3月のカンボジア・プノンペンの活動をまとめたリーフレットを発行しました。

判型:A5・8ページ(日本語・英語)
デザイン:阿部太一[GOKIGEN]
2017年4月30日発行


特設サイトからは、以下からご覧ください。
http://www.wedance.jp/replay/img/replay2016.pdf

本紙をご希望の方は、NPO法人Offsite Dance Projectまでご連絡ください。
E-mail: info(@)offsite-dance.jp

2017年4月11日火曜日

京都公演にむけて:演出家からのメッセージ

『RE/PLAY Dance Edit』は、2012年に開催された「We dance京都2012」の「演劇とダンス/身体性の交換」というプログラムで京都のダンサー達と創った作品です。下敷きになっている『再/生』という演劇作品は、分断、断絶、繰り返せない生を取り扱った作品で、京都初演のクリエイションを経て「踊る/踊らない」という“Dance Edit”の核となる新たなボーダーが加わりました。

その後、関東のダンサー達と横浜で上演し、京都と横浜に参加したダンサーとシンガポールで現地ダンサーと一緒に上演し、さらに2017年3月、このメッセージを書いている今はカンボジアで日本人と現地のダンサー達とクリエイションの最中です。気が付けば演劇/ダンスというボーダーから始まったこの作品は、すっかりボーダーレスな上演を続ける作品になっていました。

演劇/ダンスというボーダーは今はほとんど意識していません。俳優と創るかダンサーと創るかの違いだけです。それは人を見せるのか身体を見せるのかの違いとも言えます。“Dance Edit”では人と身体の間を行き来する手段としてダンスがあります。そしてその構造、人だとか身体だとかを超えられるのもダンスだと思っています。クリエイションでは各自が自分の身体、ダンスと向き合い、振り付けも各自で考えてもらいます。ボーダーを無くすのではなく、ボーダーを抱えたままどこまでも行く作品です。

5年前の京都で、ダンサー達と身体について、ダンスについて試行錯誤を重ね、彼らの身体とダンスに魅了され生まれた作品を、再び京都で創れるのをとても楽しみにしています。そして今回の上演にも海外上演に参加した各国のダンサーが参加します。身体もバックグラウンドも私たちは違うという前提から、アジアの身体、ダンスを作りたいと思います。

多田淳之介(2017/3/19)

京都公演:出演者募集開始!(5月5日必着)

京都芸術センターでは、2017年11月に『RE/PLAY Dance Edit』を開催します。
この作品は、演出家の多田淳之介率いる東京デスロックが2011年に発表した演劇作品『再/生』のダンスバージョンであり、2012年2月、ダンサー・振付家のきたまりディレクションによる「We dance 京都2012」にて初演。以降、横浜・シンガポール・プノンペンにて、アジア各国のダンサーとリクリエイションを重ねています。
繰り返されるポップ・ミュージック、踊り続けるダンサーの疲弊していく身体。暴力的なまでに強靭な構造のもと、ひたすらに踊る出演者それぞれの身体性やバックグラウンドが露わとなり、観客を引き付けてきた話題作です。
今回は、新たに京都にて、シンガポール、カンボジアのダンサーとともに本作の振付を創作し、出演する振付家やダンサーを募集します。キャリア・年齢・経験してきたダンスジャンルは問いません。奮ってご応募ください。

【募集対象】
・全日程参加可能な振付家、ダンサー
※ダンスのジャンル・キャリア・年齢は不問
・11月17日(金)から11月24日(金)のクリエイション(於:京都芸術センター スケジュールは相談の上調整)に参加し、11月25日(土)、26日(日)のショーイング(全日程)に出演できる方

【オーディション】
日程:2017年5月8日(月)〜10日(水) ※各120分
第1次(いずれか1日にご参加ください):
①5月8日(月) 16:00-18:00
②5月8日(月) 19:00-21:00
③5月9日(火) 11:00-13:00
④5月9日(火) 14:00-16:00  
第2次: 5月10日(水) 13:00-15:00
会場:京都芸術センター 講堂
参加費:無料
選考:多田淳之介(演出家)、きたまり(振付家・ダンサー)

募集の詳細↓
http://www.kac.or.jp/events/21070/

2017年4月4日火曜日

2017年度の「RE/PLAY DANCE Edit」

2017年度は、京都とマニラにて開催します。各地でワークショップ形式のオーディションを行い、過去公演に出演したシンガポール・カンボジアのアーティストとの共同創作を行います。

京都公演
ワークショップ・オーディション:2017年5月8日-10日
公演:2017年11月25日-26日
会場:京都芸術センター 講堂

主催:京都芸術センター、NPO法人Offsite Dance Project、RE/PLAY Dance Edit実行委員会
助成:国際交流基金アジアセンター、公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団

2017年4月1日土曜日

コラボレーター:Social Compassのご紹介

プノンペン公演で、通訳と記録映像を担当したSocial Compassを紹介します。
http://socialcompass.jp/
彼らはカンボジアにおける社会問題をデザイン・アートで解決したい、という想いのもと 2014年に横浜で結成され、プノンペンを拠点に活動を展開するクリエイターの集団です。
代表の中村英誉さんは京都造形大出身。現在は、キャラクターを使った教材の開発やプロジェクションマッピングによる環境問題の啓発、アニメーションのワークショップなどを中心に活動しています。

今回の公演に関するレポートもアップされています!
http://socialcompass.jp/archives/367

2017年3月25日土曜日

2日目、楽日。

劇場前のストリートのフラッグの前で記念撮影。


 公演前に、みんなで記念撮影。


打上げにて。お疲れ様でした!


2017年3月24日金曜日

本日、初日。

当日プログラムのメッセージ

『RE/PLAY DANCE Edit』は2012年に京都で創った作品です。下敷きになっている『再/生』という演劇作品は、分断、断絶、繰り返せない生を取り扱った作品で、DANCE Edit.では更に「踊る/踊らない」というボーダーが加わっています。その後、横浜、シンガポール、そして今回のカンボジアと、各地のダンサー達とクリエーションしてきました。ボーダーレスなクリエーションをしてきた作品ですが、作品のテーマはボーダーでもあります。それぞれの違いとも言えるでしょう。日本とカンボジア、日本人とカンボジア人も違います。そして日本人同士でもカンボジア人同士でも違いはあるでしょう。私たちは違いの中から様々なものを発見してきました。この作品でもダンサーそれぞれの身体もダンスも違います。その違いが何に見えるのか、それも観客それぞれにとって違う景色に見えると嬉しいです。
そして、私たちは同じ時間を繰り返すことができません。繰り返せない時間と有限な私たちの身体を使って、同じアジアで私たちが生きていること、踊ること、踊りを見ることを楽しんで貰えたら嬉しいです。
ー多田淳之介 


ステージナタリーに紹介されました!

舞台芸術ニュースサイト「ステージナタリー」にて紹介されました(写真:稽古風景)。
http://natalie.mu/stage/news/225685

プレビュー:Phnom Penh Post(2017年3月24日)

Re/Play begs the question: to dance or not to dance? 
By Anna Koo | Fri, 24 March 2017

http://www.phnompenhpost.com/post-weekend/replay-begs-question-dance-or-not-dance

和訳↓
「Re/Playが疑問を投げかける:踊る、踊らない? 」
記者:Anna Koo
翻訳:井手和可子

ステージ上のダンサーたちが様々なポーズで静止し、何人かはうつぶせに倒れている。音楽が始まると、その内の数名はほんのわずかな身振りを見せる一方で、急に大きく躍動感あふれる動きをするダンサーもいる。動かないでいるダンサーもいる。一つ確かなことは、それぞれが自分のダンスを踊っているということだ。

この不調和こそが、演出家の多田淳之介がアムリタ・パフォーミング・アーツとのコラボレーションで、二度目の国際共同製作となる『Re/Play Dance Edit』で強調したかったことだ。この製作は、Department of Performing Artsにおいて今夜と土曜日にカンボジアで初めて上演される。

「[ダンサー同士は]お互いを理解することができない、ということに焦点を当てたかった…しかし、[ダンス全体が]舞台で披露されると、第三者は作品全体の意味を理解できると思う」と多田は語る。

『Re/Play Dance Edit』は、2006年に演劇作品として始まり、その後2011年の東日本大震災を受けて、時間のはかなさに焦点を当てるダンス公演へと進化した。その後、『Re/Play』は日本で二度上演され、シンガポールの劇団「シアターワークス」とのコラボレーションで初の国際共同製作としてシンガポールで上演された。

演劇とダンスの要素を融合したところに、『Re/Play』は公演として際立っている。通常、舞台俳優は特定の役を演じるが、ダンサーは身体の動きを使って抽象、具象なコンセプトを表現する。「演劇では孤独な人間を表現できる。しかしダンスでは、孤独そのものを表現できる」と多田は言う。

多田は、彼の言う「踊る/踊らない」というコンセプトを生み出した。「踊らない」を人間として存在する状態であれば、それの対極にある「踊る」は人間性を超越したものを表現するのだと考える。このコンセプトは、カンボジア版『Re/Play』の鍵をなる。多田は演出家として、日本とカンボジアのダンサーたちに踊るか、踊らないという指示しか出さず、ダンサーたちにそれぞれの動きを自由に振り付けさせている。

このコンセプトの結果、舞台上では混沌としたダンスが披露されるのだが、アムリタのアーティストらはクメール伝統舞踊にも精通しているため、時には伝統舞踊に似た調和した動きも見せるのも、観客にとっての見どころとなる。

アムリタの芸術監督で出演者としても参加しているチェイ・チャンケトヤは、このクリエーションのアプローチはいつもの方法と全く異なるため、カンボジアのダンサー全員にとってフラストレーションとの戦いだという。「ダンサーでありながら、踊らないというのはとてもチャレンジングなこと。カンボジア[のダンサーたち]は “踊らせてくれないならいっそのこと殺してちょうだい”と言ってます」。

多田によれば、ダンサーたちに静止するよう指示することは、精神的にも負担になるという。身体をより意識するようになり、その延長線上で自分たちのダンスも意識する。「ダンサーは “自分にとってダンスとは何なのか?”と考える。ダイナミックな動きなのか、小さな動きなのか?」と多田は言う。

2012年から主要メンバーとしてプロジェクトに参加してきた振付家のきたまりは、この緊張により、『Re/Play』の公演を重ねるごとに自身のアートが変化し、以前は創作的に行き詰まっていた時期からも抜け出せたと言う。

新たな視点を持つことができる、このことこそがコラボレーションを通して一番勉強になったとチャンケトヤは言う。ダンサーたちそれぞれがダンスの習慣、姿勢や考え方を問い直し、さらには広い視野で人と人の相互作用について考えることができたのだと言う。

「宗教や政治信念、文化的習慣をすべて取っ払い[ダンスを通して人間性を表現する]アプローチは…人と人がお互いに交流することを阻むものは何もないという意味。政治や経済は物事を裂いて境界を築こうとするが、アートには広がりがあり、どこへでも導いてくれる」のだと彼女は言う。

カンボジア–日本版の『Re/Play Dance Edit』は、今夜及び土曜の夜7時からDepartment of Performing Artsにて上演される。チケットは当日券大人$5、学生$2.50。

2017年3月23日木曜日

プレビュー:Cambodia Daily(2017年3月23日)

Championing Diversity, Dancers Move to Their Own Stories
by |

https://www.cambodiadaily.com/news/championing-diversity-dancers-move-to-their-own-stories-126926/

和訳↓
「多様性を擁護し、それぞれのストーリーを綴るダンサーたち」
取材:Michelle Vachon
翻訳:井手和可子

観客の多くにとっておそらく馴染みのある音楽 –世界中で知られているポップ曲– が、この一週間でカンボジアと日本のダンサーたちによって振り付けされたダンス『Re/Play Dance Edit』では新たな様相を呈する。

プノンペンで金曜日と土曜日に上演される作品では、アーティストらがお互いに干渉せずに舞台上を優雅に動き続ける。それこそがこの作品における意外な挑戦になると、アムリタ・パフォーミング・アーツのカンボジア人振付家Chey Chankethyは火曜日のリハーサルで語ってくれた。

この85分の作品を考えた日本の演劇演出家の多田淳之介は、ダンサーたちに「舞台上ではダンサーではなく、人間であってほしい」という珍しい要求をしたと彼女は言う。

「それはダンサーにとってとても難しいことです。本当に」と語るChankethyaさん。「舞台上に立った瞬間から、動き、エネルギーやスペーシングを意識しながら、ダンサーになるという衝動に駆られるからです」

受賞歴のある演劇演出家の多田さんは、2011年、日本の東北地方が地震と津波により壊滅的な被害を受けた後に作品のコンセプトを思いついた。その目的は、「断絶や混乱、そして時間は繰り返せないというテーマ」を表現することだと彼は語る。

演劇作品として作ったものを、多田さんはその後、ダンス作品として生まれ変わらせた。

「日本での公演を通して、ダンサーの肉体や身体能力が多様であればあるほど、作品が面白くなることを発見した」と彼は言う。

このことから、様々なダンスの伝統を持ついろんな国のダンサーと作品を創作するというアイディアを思いついた。昨年はシンガポールで上演し、今週はカンボジアでクメール伝統舞踊のトレーニングも受けているアムリタのダンスカンパニーと共に、そして将来的にはフィリピンでも製作する予定だ。

今週上演される作品は、ブレーンストーミングのセッションを通して形づくられ、アーティストは他のダンサーたちの踊りと調和しながら、各自が上演するストーリーを考えなければならなかった。その成果は、心の奥深くまで届く作品となっている。

「ダンスを観にきてくれた方々には…ダンスを通してそれぞれ何かを発見し持ち帰ってほしい」と多田さんは語る。

ダンス:Re/Play Dance Edit
会場:Theater of the Department of Performing Arts
   Street173、毛沢東通り近く
日時:金曜日、土曜日 7:00PM
チケット:大人$5、学生(学生証提示)$2.50

2017年3月20日月曜日

照明実践ワークショップ

カンボジアでは舞台芸術に携わる技術者が少ない現状から、3/19-20に本作の照明デザイナーである岩城保さんによる照明実践ワークショップを開催しました。


劇場の基本仕込みを終えた3日目、劇場にある照明機材を使って、照明機材の特徴と効果を解説し、照明機材のセッティングを実際に体験。さらに2日目は当劇場で上演された若手振付家のダンス作品の映像を見ながら、演出と照明の意図の解釈から改善点までをアドバイス。劇場やカンパニーのテクニカルスタッフやアーティストなどが参加し、照明に関する基礎や演出を学ぶ貴重な機会になりました。

照明実践ワークショップ 実施概要
日時:3月19日・20日 19:00-21:00
会場:Department of Performing Arts
講師:岩城 保
スタッフ:ラング・クレイグヒル、岡崎松恵
参加者:のべ23名

アウトリーチ @Tiny Toones

ストリートダンスを通じて子どもたちの創造性を伸ばす取り組みを行っているTiny Toones
ダンス、音楽、アート、クメール語、英語、算数、コンピューターなどを子どもたちに無償で教えているNGO。近所の小学生たちが通っている本校では、ヒップホップを普段から教えています。
今回アジアセンタープノンペン事務所のコーディネートにより、日本のダンスチーム(きたまり・伊東歌織・竹ち代毬也)によるワークショップを行いました。子どもたちから、たくさんの元気をもらいました。

Photo by Hiroshi Ake

2017年3月16日木曜日

プノンペン、小屋入りしました。

今回の会場となるDepartment of Performing Arts。敷地が舗装されている!明日からクリエーションが始まります。